アクリル系化合物アレルギーについて考える

今回、グミタイプの樹脂に接触性皮膚炎を起こした。
アクリル化合物アレルギーは歯科技工士など職業的に曝露量の多い人によく見られる。
あるいはアクリルを扱う仕事をしたことがあって、後々、レジンクラフトをしたらアレルギーになった、など。

それでよくよく思い出した。

学生の頃、ウイルス学研究室に出入りしていた。かなり自由に基礎研究をさせてもらっていた。
タンパク質電気泳動、生物系研究ならごくごく当たり前の実験だが、ポリアクリルアミドゲルを使う。
泳動ゲルは当然ながら必要分ずつアクリルアミド溶液と重合剤でいちいち作製する。何回作ったか分からないほどよく使う物だ。
ポリアクリルアミド関係を扱うときは必ず手袋をしていた。
だが、この手袋のせいでラテックスアレルギーで酷い皮膚炎を起こしたことがある。
アクリルアミドは手袋からも浸透すると言われるので、皮膚に傷があったため、知らないうちに感作された可能性があるかも知れない。

また、反応はハードタイプやソフトタイプには起こらず、グミータイプのみに起きたので、やはり固有の成分について問い合わせねばならないかも。

アレルギーの機序としては、
アクリル酸エステル系化合物→経皮吸収
→エステル加水分解→アレルゲン発生
→ハプテンとなりアレルギー発生
これらの反応に48時間を要するものと考える。

グミータイプは重合度が緩く、モノマーが残留しやすいのかも知れない。
本当は紫外線での硬化時間を10-20-30-60分などとパラメーターを振ってパッチテストせねばならないが、はっきり言って怖い。
また腫れたら炎症が引くまでに10日もかかる。


若干のグロ画像だが、耳介に接触性皮膚炎を起こした初期の写真

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この後耳輪脚の一部が水疱化して剥がれた。。。
耳だれが出て、浸出液のせいで耳に水がたまったような感じになった。
鼓膜が痛くなり中耳炎まで起こしかけた。
何度か鎮痛剤を飲んだし、アンテベート軟膏、ゲンタシン軟膏などを多量に塗りたくる羽目になった。