二つ折り財布

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旦那が使う財布を作った

表革のネイビーと内側の黄色はイタリアンレザー

ポケットは栃木レザーの端切れ

糸はシニュー

表革は例のオイルバケッタなので多少手荒く扱っても細かい傷は自然と直りやすい

表はグルーバーで溝掘りしてシニューが擦り切れにくいようにした

簡単な捻も入れた

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要望としてはカードと小銭が山ほど入ること

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材料原価

イタリアンレザー1300円、栃木レザー200円程度

 

バングルで消臭効果の実験

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問題のオイルバケッタにてバングルを作り、肌に触れる用途で臭いの強さをテストしてみた。

材料原価にして600円くらい。

この革は通常の2倍程度のオイルで仕上げられているため、単純に臭い成分も2倍はあると思われる。

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まず作り立てで何も処置しない状態。。

これは、もう体温で立ち上るオイルの臭いが鼻につき、頭痛がするほど。これを混んだ電車内で使用する勇気は出ない。

 

次にこのバングルの銀面と床面をミカンの皮でよくよく磨く。良く擦って精油が染み込むように磨く。

これだけでも即効性はある。さらにレモンオイルを含浸させて風通しの良いところへ一晩吊す。

朝になると精油は揮発して革の手触りは元に戻っているが、一見して臭いはかなり改善している。

これをバングルとして手首に巻いて使ってみる。

・・・明らかに改善している。

左手を動かしても革の臭いがぷんぷん臭うこともなく、鼻を近づけると少し例の臭いが分かる程度。

 

これは素晴らしい。

 

ミカンやレモンの皮には他に代えられないくらいの消臭効果がある。

酢水のように水を使わず、革へのオイル補給も兼ねて使える。

 

ライムグリーンやラズベリーなどの明るい色でも試して見ねば。

コインケース製作

散々文句つけたイタリアンレザーでコインケースを作った。もちろん脱臭処置をして。

直接肌には触れないので、おそらく臭いは大丈夫。やはりとても質感の良い革。

長財布に小銭を入れて歩くのはどうも面倒くさいために作ってみた。

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材料原価

金具類合計1000円

イタリアンオイルバケッタ1.5ds 240円

 

イタリアンレザーの魚腥臭と格闘する

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読んで字のごとく、日本人は癖のある革の臭いは苦手と言われる。

事の発端は、現物を見て、その手触り、しなやかさ、重厚さに心奪われて大人買いしたイタリアンレザー

問題はその伝統的なオイルバケッタ製法による臭い。。。

 

植物タンニン鞣し、これは問題ない、これだけでは悪臭にはならない。

それを芯通しで染めて、牛脚油と魚油の混合物とともに大きな樽に入れてぐるぐる回しながら仕上げする製法

出来上がった革は経年変化も素晴らしくて、柔らかくてしなやかで、コバも1発で決まる高級革、、、本当に品質はバツグン

 

だが、しかし、

半端なく臭い・・・頭痛がするほど臭い・・・

その臭いは古くなった牛脂と古くなった魚油としか言いようが無い・・・

 

アクセサリーや靴やリュックなど体温で温まる用途だとその立ち上る臭気は自家中毒はおろか電車の隣席の人も攻撃するレベル

欧州のブランドがこぞって採用するような良い革なのに、マジかよ、と言いたくなる。

革としての品質は一級品、臭いはほぼほぼ悪臭・・・

ジップロックに革と重曹と米と入れて置いてもまるで効果無し。これには閉口した。

日本国内にもこの革でバングルを作っているメーカーがあるようだが、いやはやなかなかのチャレンジャーと思う。

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酸化した油の悪臭の原因のひとつがトリメチルアミン

青魚を焼いた後のオーブンなどに染み付くあの臭い。。

原因はそれだけではないと思われるが、これにヒントを経て色々考えた。とにかくアミン類を中和してしまうのだ。

作品を使い始める前の処置として何が良いだろうか?日晒しでは色が変化してしまう。

 

トリメチルアミンの臭い抜きはためしてガッテンにもあった。

ミカンの皮、柑橘系の精油。酸性なのでトリメチルアミンを中和してくれると。

寿司屋の酢水や主婦のクエン酸なんかも同じ発想。たしか、革の臭い消しに酢水を使う猛者の話もあったような。。

 

それで家の中を見回すと、レモンオイルがあるじゃないですか。楽器の汚れ落とし用のもの。

問題のオイルバケッタレザーに浸透させてみる。。とにかく浸透性は良い。どんどん染み込む。表からも裏からも。

そして風通しの良い窓辺に吊す。

 

おや、レモンオイルをかけた瞬間から魚醒臭は消えたも!?

 

同じく魚醒臭に特効があるのがドクダミらしい。生薬としてそのような効果があるのは知っていたけれど、皮職人で革の臭い消しに使っている人がいるらしい。ほんまかいな!?

 

 レモンオイルを乾かしたらいつものカルナバ蝋蜜蝋オレンジオイルで油分を補って様子を見る。

ちなみにカルナバ蝋蜜蝋オレンジオイルは時間が経つと革がモッチリもち肌になるのでお気に入り。

 

ちなみにカルナバ蝋蜜蝋オレンジオイルは栃木レザーの上品なタンニン鞣しの匂いも消し去ってしまうので、個人的にはちょっと残念。

イタリアンレザーはガンガン消臭されてくれて結構!笑

 

アコーディオンポーチ型財布

財布の一形態としてよく知られているアコーディオンポーチ

細部や使う素材を変えるだけでがらっと印象が変わるのが面白い。

長方形と半円の組み合わせだけで作れるものの、簡単にリベット留めするだけから全てのパーツを縫い合わせるなど、凝った作りに使用とすれば作りにしようとすればいくらでもこだわれるのも面白い。

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真鍮の無地のコンチョをジャンパーホックボタンにした。

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バックスキンの試作と並べてもかなり印象が違う。

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手持ちの栃木レザーの端切れの寄せ集めのため、蓋の形などは在り合わせ感満載

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小銭入れはヴォーノオイルの大きなシボとふかふかのぬいぐるみのような床面の2.8mm 革を選んで、小銭がガチャガチャしないようにした。

このふかふかは首の周りの革で、あまり良い部位としては扱われないけれども、iPhoneケースとか、耐衝撃性が必要な部分には結構使える。何よりもぬいぐるみのような手触りが超お気に入り。今回は消音目的で使ってみた。

カードケースは1.2mmのピアノレザーというオイルヌメ、札入れのところもボーノオイルのシボの少ない平らで確りした部分を使った。

側面は1.2mmピアノレザーで折り線が付けやすいもの。

本体が2mmのグレージングサドル系のヴォーノアニリン、蓋がしっとり柔らかい質感とシボ入りのオイルバケッタ。

(栃木レザーの製品名を訂正)

材料原価1800円なり

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ふかふかの床面の革のコバはトコノールだと綺麗にいかないので、全ての革の縁はラナパーオイルを塗って指でならし毛羽立ちを自然に抑えることにした。

 

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財布の大きさの3.5倍の長方形に、財布の高さを半径にする半円形の革を2枚付ける。半円形をアコーディオンのように蛇腹折りして、財布の大きさと同じ仕切り革をカシメで留めていく。カシメをやめて縫いつけたり、アコーディオンパーツをひとつひとつバラバラに組み立てたりもできる。 

ペットボトルストラップでいつでもどこでも飲み物を肩掛け

我が輩はペットボトル依存症である。

とにかく出歩くときに手元に水分がないと落ち着かない。

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それで、常に飲み物を肌身離さず持つ方法を思いついた。

ヌメ革の端切れとカシメとペットボトルホルダー金具だけで作った。

どこへ行くにも肩に斜めがけ出来る。

 

しかし、大人ランドセルとペットボトルストラップといういでたちは、ランドセルと水筒を持って登下校する近所の小学生と何ら変わらないことに気が付いた。。。汗

 

アコーディオンポーチ型財布の試作

栃木レザーの床皮でアコーディオンポーチ型財布の試作をしたら案外出来が良く、オイルを染み込ませて使うことにした。

これを踏まえて銀面付きのものを製作予定。

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よく考えるとロングウォレットは生まれて初めて使うかも。。

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五個の収納スペースがある。

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蓋とホック止めのある小銭入れ

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レシートスペースとカード入れ

カード入れは落下防止のストラップ

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カード入れの後ろにお札スペースが二つ

オイルでどぶ漬けにしたので中々乾かない。。。

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蓋はジャンパーホック2段階調整とした。

バックスキンの手触りは、これはこれで悪くない。

原価300円なり。

 

本番の製作は栃木レザーの端切れの寄せ集めで、本体がサドルレザー、蓋がオイルバケッタ、側面が薄手のオイルレザー、内部隔壁もオイルレザー、カシメ止めは最小限で、必要な部分はシニュー糸で縫うこととした。ジャンパーホックは真鍮コンチョを取り付けることにした。しかもグルーバーで縫い目の溝を掘り、念引きまできちんとやってみることに。