Knowles Rab32257フルレンジが素晴らしすぎる

Knowlesのイヤホン用BAドライバにRabシリーズという高品位ドライバシリーズがあって、そのラインナップの低音がよく出るユニットが32257
大きさは5mm×3mm×2.5mmの豆粒より小さな筐体

実物は本当に小さい。こんなのから音が出るの?と。


BAドライバでも低音がよく出るユニットは大きいはず、はて、この大きさで低音?
スコーカーやツイーターの大きさにしか見えない。
それでも20Hz-11kHzが出ると言うからどうなってるんだろうと。

半信半疑でイヤホンを組んで音を聴いて衝撃が走った。
本当に低音が出ている。しかもコントラバスが下まで鳴る。

高音は確かに11kHzまでしか出ないので何処までも透明で倍音が何処までも綺麗に伸びきると言うのではないけれど、
その音楽性、音楽がそこにある感覚、
肉々しさというか、存在感のある音、
広い音場と左右奥行きに正確な定位。
ダイナミック型ドライバかと錯覚する。

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フルレンジBAドライバと言えばファイナルを思い出すけれど、BA然とした楚々として素っ気ない、高音は綺麗だけれど、低音楽器の肉質感にはか欠ける音だった。オーディオ的には綺麗なんだけど。

上が11kHzなので、メーカー製品的には32257を単発で使ったイヤホンはF特スペックが見劣りするので作れないかも知れない。CDが44.1kHzで再生音域が20kHzだから、それ以下の帯域のものは売り物にできない。
つまり、自分で作らないと32257シングルBAの音は聞けないんじゃないかと。
(メーカーは筐体やネットワークに小細工して20kHzというスペックを無理矢理出してくるだろうが、感心しない。)

多ドライバ化競争をする昨今の高級イヤホンに一石を投じるんじゃないかと思う。
これは本当に衝撃的